学校日記

東日本大震災を忘れない

公開日
2020/03/11
更新日
2020/03/11

給食

今日も、毎年「もぐもぐニュース」で子どもたちに伝えている内容を、この場を借りて書きます。※子どもには簡潔に書いています。

 東日本大震災から9年が経ちました。
あの日の東京の学校は、子どもたちを帰宅させたり、引き渡しをしたり、帰宅困難者の避難所になったり、様々でした。
地震や津波の被害は甚大で、多くの命も失いました。被災地から多くの子ども達が全国の学校へ転向を余儀なくされ、苦しい日々を過ごした子供たちを目にしました。学校が変われば給食も違い、転入してきた子どもたちが何をするにも動揺していたことを思い出します。
 あの震災が以降の給食に残した大きな被害はもう一つ。それが福島第一原子力発電所事故による土地と食材への放射能汚染です。五本木小学校の保護者のみなさんは、たくさんの情報を調べ、学び、子どもたちのためにと声を上げました。きちんと給食に携わる栄養士にも伝えてくださいました。だから今も目黒区の方針として、自らの手で学校に納入予定の食材について前日に放射性物質検査をしています。そうすることで正しく恐れ、安心・安全を確認し続けているのです。

 当時から数年間、産地を訪問し生産者の方と栄養士で意見を交わす中で、1つたどり着いた事があります。私たち子ども達に関わる大人は、「子どもたちを健やかに育てたいという思いで一致できる」ということです。一致するために議論する価値があるとも言えます。生産者さんも、流通業者さんも、給食を提供するものも、提供される子どもの保護者の方も、子どもたちに安心・安全な給食を食べてほしいということです。今の子どもたちにも、将来の子どもたちにもです。
また、今でも放射能汚染の被害に苦しんでいる住民の方、生産者さんがいることは、知っていてください。

 私たち大人は、東日本大震災から多くのことを学びました。
そして、自分自身に投げかける「問い」をもって生きていくことが求められています。
五本木小学校の校内研究でもありますESD(持続可能な開発のための教育)では、子どもたち一人一人が「エッセンシャルクエスチョンをもつ」ということを目指しています。生涯にわたって考え続けられる深い問いのことです。
豊かさとは何か、将来に残すべき今は何なのか、私たち大人は考え行動を続け、子どもたちにも考える力を付けなければなりません。

今日という日を境に、今より希望ある未来をつくるために。

だから今日も、最も小さくて大きな社会「食卓」を、笑顔ある豊かな場にすることが、大人にも子どもにもできる第一歩です。