令和元年度 第71回卒業式 送辞・答辞

画像1 画像1 画像2 画像2
「送辞」(全文)
 例年にない暖冬を乗り越え、校庭の草木が芽吹き始めています。今日この日、ご卒業を迎えられました皆様、在校生一同、心よりお祝い申し上げます。ご卒業おめでとうございます。
 今、皆様の心の中には、この第九中学校で過ごした三年間の思い出が、駆け巡っているかと思います。僕たち在校生も、皆様と過ごした思い出が甦ります。振り返れば二年前の春、中学校という新しい環境に戸惑い、心細かった僕たちを上級生の皆様は、爽やかに歓迎してくださいました。皆様に支えられ、僕たちは心身ともに成長することができました。
 僕にとって一番皆様との思い出がつまっているのは、合唱コンクールです。クラス合唱では少ない人数ながら、その歌声は美しく迫力がありました。たった数人で受け持っているパートの声の重なりから生まれるハーモニーが、本当に素晴らしかったです。客席を見ればその声に感化して涙する人もいました。僕は合唱コンクールの本番の数日前に三年生の実行委員の方と話す機会がありました。話の内容は、合唱コンクールと関係なかったかも知れません。でも、仲間と過ごす時間をとても大切にしていることは、伝わってきました。こうして先輩と話せるのもあと半年かと、少し寂しい気持ちにもなりました。
 また、吹奏楽部の発表では全校生徒のみんなが盛り上がっていて、三年生の皆様からも大きな声でコールをしていただきました。皆様にとっては九中の吹奏楽部のサウンドを聴けるのは最後の機会でした。だからこそ、僕たちの演奏を楽しんでいただけてとても嬉しかったです。吹奏楽部は少人数だからこそ、一人ひとりが先輩に大事に育てられます。僕もそのうちの一人です。先輩方には感謝の気持ちでいっぱいです。 もう一つ忘れられないのは、中央委員会での話し合いです。フライングディスクの貸し出し再開に向けて三年生を中心に話し合いました。どうすればみんながルールを守りながら、楽しむことができるか、熱心に考えてくださいました。ルールに対する改善点やどんな問題が生じるかを予測してたくさんの意見を出していただきました。その話し合いの結果、今でもフライングディスクの貸し出しは続いています。全校生徒のことを思って、熱心に考える皆様の姿はとても素晴らしかったです。 
 三月の臨時休校で、皆様との別れは突然やってきました。最後の12日間を一緒に過ごせず残念でした。しかし、在校生代表としてこの卒業式に参加でき本当に幸せです。
 皆様はこれから先、辛かったり、苦しかったりすることがたくさんあると思います。そんな時には、先輩方が持つ力強い気持ちで前進してください。また、時には僕たちのことも頼って欲しいと思います。私たち在校生は皆様が残された立派な志を受け継ぎ、この第九中学校をよりよくしていけるよう、より一層努力していきます。
 最後に、今日ここに参列できなかったすべての在校生の思いを込めて、心からの御礼を申し上げます。卒業生の皆様、ありがとうございました。皆様のご健康とご活躍をお祈りして送辞とさせていただきます。

令和二年三月十九日
目黒区立第九中学校 在校生代表


「答辞」(全文)
 厳しい寒さが続いた冬も過ぎ去り、春の暖かな日差しが体全体に感じられ、桜のつぼみも膨らむ季節となりました。今日、私たち四十三名は卒業を迎えます。三年前の四月、私たちは真新しい制服に身を包み、第九中学校に入学しました。新しい仲間たち、先生方、何もかもが新たな始まりでした。
 この三年間、いくつもの思い出深い行事を経験しました。初めての宿泊行事であった八ヶ岳。私たちの仲をよりいっそう深めることとなりました。班行動が多く、班員とのコミュニケーションが欠かせませんでした。そのような環境だったからこそ、友情や団結力を深めていくことができました。また、この行事で学んだことは、その後の行事でも生かすことができました。
 二年生の都内巡りでは、班員で、いつどこで何をするのか、一から計画をたてました。調べが不十分だったり、道に迷ったりしたけれども、班での協力があり、なんとかやり抜くことができました。小さい失敗はありましたが、この失敗があったからこそ、計画を立てることの重要性を学ぶことができました。
 そして三年生になり、この仲間との最後の宿泊行事、修学旅行。修学旅行では今までの反省を生かし、より細かい計画をたて、不測の事態に対しても仲間と共に解決することができました。また、歴史的文化財の実物を見たり、日本文化を体験したり、薬師寺では人への感謝の気持ちを忘れてはいけないということを学ぶことができました。
 体育祭も思い出深い行事の一つです。 一年生の学年競技「タイフーン」では四人一組、二年生の「ムカデ競争」では女子から男子にたすきをつなぎ、三年生の「大縄跳び」ではクラス全員が一緒に競技を行いました。どのようにしたら記録を伸ばすことができるのか皆で話し合い、はじめはできなかったことも徐々にできるようになっていきました。一人ひとりが全力で競技に取り組み、全力で応援することで、助け合える仲間の大切さを学ぶことができました。
 クラスで臨んだ最後の行事、合唱コンクールでは、毎日練習をして、音の強弱や声の伸ばし方など意見を出し合い、合唱をよりよくするための工夫を重ねました少ない人数でしたが、勝ち負け関係なく、同じ目標に向かって進んでいく力を手に入れました。
 しかし、これらの行事ではクラスが一つにまとまらないこともありました。けれども、クラスをまとめるため、みんなのことを一生懸命引っ張てくれる仲間がいたからこそ、全員が気持ちを一つにして行事に取り組むことができたのです。大変なことや、辛いこともあったと思いますが、クラスのため、学年のために全力を尽くしてくれて、本当に感謝しています。
 このように私たちは、三年間の学校生活を通してたくさんのことを経験し、学んできました。その中で、私たちが大きく成長したことは、「相手を思いやる心」と、「前へ突き進む力」、そして「自分や仲間を信じる思い」です。だからこそ、「第九中学校でよかった」と思える、最高の学年になったのだと思います。
 最後の合唱コンクールが終わると、いよいよ受験という大きな壁が私たちの前に立ちはだかりました。それまで私は、受験とは、ただ自分がどれだけ勉強するかを試されるだけの孤独なものだと思っていました。しかし、実際に受験生という立場になってみると、受験とは決して孤独なものではないと感じました。不安や悩みが増していく中、家族や先生方、友達にたくさん励ましてもらいました。皆それぞれ不安を抱えているはずなのに、笑顔で話しかけてくれたおかげで、前向きな気持ちになれました。先生方は、私たち一人ひとりのことを考え、全力を尽くしてくださいました。また、この受験で、家族には一番迷惑をかけてしまいました。家族に強くあたってしまったり、意見の食い違いで喧嘩になってしまったりしたことが多くありました。しかし、私がどんな態度を示しても、近くで優しい言葉をかけてくれたり、全力で応援してくれたりしたのは家族でした。これは受験のときだけではありません。十五年間、私を見守ってきてくれて、本当に、ありがとう。
 在校生の皆さん。卒業まではまだまだ先だと思うかもしれませんが、本当に、あっという間です。勉強や部活動、友達と暮らす一日一日を大切に過ごしてください。これから悩み事も増えていくかもしれませんが、決して一人ではないので、一人で悩まず、友達、先生、家族に相談してください。必ず助けになると思います。
 私は、生徒会活動を通して、多様な意見があることを知りました。そして、それらを受けて、物事を改善し、新しい企画を実行することができました。様々な行事で学校全体が一つになり、よりよい九中に近づくことができたと思います。在校生の皆さん、この第九中学校のよき伝統を絶やすことなく受け継いでいってください。そして、今まで私たちを支えてくれて、本当にありがとう。
 この三年間、辛かった日、楽しかった日、特別なことがなくても平凡で大切な日がありました。確かにそこにあった、三年間のかけがえのない日々を、私たちはこれからも大切にしていきたいと思います。
 最後になりましたが、この三年間を乗り越えることができたのは、時に厳しく、時に優しく接してくださった、先生方、栄養士さん、調理士のみなさん、主事さん方、いつも支えてくれた家族、暖かく見守ってくださった地域の方々、そして今日まで一緒にすごしてきた学年や、在校生の皆さんのおかげです。これから先、私たちはこれまで学んだことを糧にそれぞれの道に進みます。それぞれが進んだ道の先にある素晴らしいものを自分たちの手でしっかりとつかみながら、一歩一歩、着実に進んでいきたいと思います。今まで、本当にありがとうございました。
 今後の第九中学校の益々の発展を祈念して、答辞といたします。

令和二年 三月十九日 
目黒区立第九中学校 卒業生代表
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

献立表

中学生の食ライフ

学校生活

新型コロナウイルス対応について